ブログ

皆様こんにちわ、今回はゴルフ5です。

 

エアコン入れても暖かくならないとのことで入庫です。この時期ヒーターが効かないのは辛いです(T_T)

症状としては、まったく暖かい空気が出ないわけではなく、指定温度にならないとのことでした。早速点検です。

エンジンかけて暖機運転・・・。ヒーターONにすると暖かい風がでます。当たり前です。外気温が低いので、エンジン熱で多少温まった空気でも暖かく感じます。高温MAXでも今一暖かくない。こちらのゴルフ5は、本来水温計があるところにブースト計がついており現在の水温がわかりません。なので、いったんファンが回るまで水温を上げます。・・・結構時間かかります。ファンが回ったところでヒーターON・・・。熱い空気が出てきましたが、すぐにぬるくなります・・・。ファンのせいで水温下がるみたいです。ここでテスターつないで正規の温度を見てみます。電動ファンが回るのは90°C。A/Cファンを回し続けるとどんどん下がって60°Cになってしまいます。これは、サーモスタット開いちゃってます・・・。実際走行テストすると、水温はずっと40~55°Cこれではヒーターは効きませんね。

この原因はサーモスタットです。サーモスタットは水温を適正に保つための弁の役割をします。水温が低いときは弁を閉じてエンジン内だけでクーラントを循環させます。規定水温になると弁が開きラジエターにクーラントを循環させます。こんかいは、このサーモスタットが開きっぱなしになったのが原因です。原因が分かったところで交換です。

 

サーモスタットの位置はエンジン向かって右側。エアクリーナーやバッテリーがあるので外していきます。

 

この真ん中にあるのがサーモスタットハウジングです。中にサーモスタットが入っています。サーモスタット単品の供給もありますが、プラスチック部品の劣化に伴うダメージを考え、今回はアッセンブリーで交換いたします。欧州車によくあるプラスチックの劣化は主に熱劣化が多く、ホースを抜いたら口の部分が割れたりネジを緩めたら割れたりします。そうなると改めて部品の取り直しとなり時間も費用も無駄にかかります。お客様とご相談させていただき、一番ベストな方法で修理させていただきます。

 

こちらが新品のサーモスタット付きハウジングです。右に見える2本のパイプがヒーターへとつながります。

ハウジングを外すとこんな感じの配管になっています。

新しいハウジングを取り付けます。ちなみにこのハウジングAssyには、水温センサー・サーモスタット2個が入っています。

外した時とは逆の手順で部品を戻していきます。

全て元に戻したら、加圧タンクにクーラントを補充していきます。ラジエター本体には給水するキャップがありません。したがって、エア抜きをしっかりしていかないと今度はオーバーヒートやウォーターポンプの故障などにつながります。加圧タンク式は特に時間がかかります。テスターで温度を確認しながらファンスイッチの入電、ヒーター温度の確認、A/Cファン作動時の水温の確認をして、問題なければ走行テストです。この時期は走行風だけでもラジエター内の温度は下がります。クーラント温度が適正温度で維持できているのを確認出来たら、エンジンを冷やしてクーラントの量を確認します。異状なくMAXまで入っていれば完了です。ありがとうございました。

 

前述したように、最近水温計がない車が増えてきました。オーバーヒートであれば視覚的に見えるインジケーターがありますが(赤い警告灯)オーバークールにはなかなか気が付かないことが多いですね。なかなか暖かい風が出ない、停車中は暖かいけど走り出したら冷えるなどの症状が気になった方はお気軽にご相談ください。